MEDICAL

第二回 女性の身体について、骨粗しょう症と疲労骨折

昨今のランニングブームや健康志向の高まりなどにより、週2回以上ジョギング・ランニングを実施する女性は増加しています。
名古屋ウィメンズマラソンは、参加者の競技レベル、年齢層の幅も広く、昨年、21,915名もの女性ランナーが参加しています。女性はその身体的特徴からマラソンに向けての練習により様々な問題の発生が危惧されます。
そのため今回は、「女性の身体のしくみ」と女性アスリートや一般女性でも気を付けなければならない、「骨粗しょう症」についてお話していきます。

女性の身体の特徴

女性の身体には、エストロゲンとプロゲステロンの2つ女性ホルモンがあり、これらのバランスによって月経が定期的に訪れます。
しかし、生活習慣の乱れ(過剰な減量)やオーバートレーニングなどによって、女性ホルモンのバランスが崩れることで、月経不順や無月経になる方が多くみられます。
また、女性アスリートに起こりやすい問題(三主徴)として、①利用可能エネルギー不足、②無月経(視床下部性)、③骨粗しょう症と定義されています。この三主徴はエネルギーの不足から始まると言われており、相互に影響しあっています(図1)。
エネルギーの不足とは、運動によるエネルギー消費量に対して、食事からのエネルギー摂取量が確保されていない状況をいいます。




(図1)女性アスリートの三主徴

女性がなりやすい骨粗しょう症について

骨粗しょう症とは、骨の強度が低下してもろくなり、骨折しやすくなる病気です。
骨の強度が低下する一般的な要因として、女性ホルモン(エストロゲン)の欠乏、加齢、運動不足、栄養バランスの偏り(カルシウム、たんぱく質、ビタミンDなどの不足)などの生活習慣の要因が考えられています。
エストロゲンは20歳代をピークに徐々に減少していき、45歳~55歳ぐらいの閉経時期で急激に減少します。
また、女性アスリートの三主徴でもあったように、利用可能エネルギー不足によって若年層でも骨粗しょう症になる可能性は高くなります(図2)。



(図2)エネルギー不足と骨粗しょう症の関係

骨粗しょう症と疲労骨折の関係

疲労骨折とは、通常では骨折が生じないような弱い外力が、同じ部位に繰り返し加わることで生じる骨折です。
女性は骨粗しょう症になりやすく、骨量が低下した状態で長い時間ランニングをおこなうことにより骨への負担が大きくなります。さらに、下肢筋力の低下やランニングフォームの不良なども加わることで、疲労骨折が発生しやすくなります。
疲労骨折が生じやすい部位として、足の中足骨(①)、脛骨(②)があります(図3)。
(図2)エネルギー不足と骨粗しょう症の関係

骨粗しょう症にならないために

①食事
カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなど、骨の形成に役立つ栄養素を積極的に摂りましょう。 カルシウムとビタミンDを同時に摂ることで、腸管でのカルシウム吸収率がよくなります。※ビタミンDは太陽を浴びることでも生成することができます。
また、無月経や月経不順のアスリートの方は、運動時の主なエネルギー源である糖質(炭水化物)の摂取量が不足していることが多いと言われていますので、バランスの良い食事が大切です。
②運動
適度な運動(散歩、ジョギングなど)。※運動をしていない人が急激に運動(ランニング)をすることは疲労骨折を起こす危険性もありますので少しずつ実施していきましょう。
③医療機関への受診
10代の頃、1年以上の無月経があった場合、エストロゲンの減少が疑われるため医療機関にて骨密度の検査を受けた方が良いでしょう。また、40代以降の女性も定期的に骨密度の検査をすることをお勧めいたします。
また、摂食障害、貧血、月経異常などが合併していることが多く、相互に関係しあいながら骨粗しょう症になられる方もいます。そのため、内科、整形外科以外にも婦人科へも受診し、医師に相談しながら対処していくことも必要です。



監修/井戸田 仁 医師
医学博士、日本整形外科学会専門医、日本体育協会スポーツドクター、日本整形外科学会 スポーツ医、日本リハビリテーション学会認定臨床医、などの資格を有し、びわじま整形外科院長、  井戸田整形外科名駅スポーツクリニック副院長。
愛知県体育協会理事、スポーツ科学研究委員会委員、愛知県スポーツドクター連絡協議会会長などとともにプロスポーツチーム、実業団チームなど多数のチームドクター兼務中。
Gold Sponsor
Silver Sponsor
Bronze Sponsor
Official Timer
Official Bread
Official Sponsor
Official Supplier
Official Photo Service
Official Supporter
Organizer